第三週 回収額こそ平均させるのぢゃ

 どうしても連勝馬券を楽しみたいのなら、最低均等買いは避けるぐらいの心がけがなくてはいけない。何故なら均等買いというのにはなんら戦略というものが存在しないからぢゃ。競馬の楽しみは勿論その予想が主たるモンぢゃが、投資の配分というゲームも同時に存在している。そして、その両者を支配せねば儲けを出すことは至難のワザになってしまうのぢゃ。まずそこに気づかねばならん。

 

1.均等買いだと損することが多いのぢゃ

 「3点流しで9倍と15倍と45倍、高めがくればデカイな」などと均等買いをやっとる輩は多いが、あまり賢いやり方とは言えんな。なぜならそれは確率を無視した行動だからぢゃ。オッヅというのは伊達でついておるわけぢゃない。オッヅが高い馬券と低い馬券があれば、当然低い馬券の方がくる確率は高いことになる。オッヅを覆すほどの確かな根拠を持っているのならまだしも、単に3点に絞れたというだけの状態ならオッヅの理論はまだ働いている。ならば極端に言うなら、確率の高い馬券の方に高い資金を投入するのがスジというものぢゃ。仮に3点に3000円づつ買うのと、5000、3000、1000の均等払い戻しで資金を投入した場合のことを考えてみよう。前者で45倍がくれば払い戻しは135000で126000の儲けとなり、確かにおいしい。ぢゃがこれがくる確率はかなりに低いのもまた事実ぢゃ。逆に9倍が来た場合は27000の戻しで18000の儲けにしかならない。後者なら45000の戻しで36000の儲けぢゃ。つまり前者の賭け方では18000円損をしていることになる。そして、そうなる確率は45倍がくる確率よりも遙かに高い。オッズで単純に比較するなら確率は5倍。36000×5は180000ぢゃろ。まあ実際にはこんなに単純にはいかんが、高めが来るというのはやはり稀なこと。麻雀あたりと勘違いしてはいかんのぢゃ。

 

2.1点フォーカス馬券の破壊力を知れ

 前項の話をさらに進めてみよう。より本命サイドに資金を絞り、残りの2点は元返しでもよしとする。つまり9000、700、300という配分ぢゃな。本命がこれば81000円の戻しで72000円の儲けとなる。比較してみよう。均等の126000円を儲ける確率と、本命にフォーカスして72000円を儲ける確率はどちらが高いか?よほどの根拠があるなら別ぢゃが、平で見るなら倍どころの騒ぎではない確率で、72000円を手にする確率の方が高いに決まっておる。現実を見ればより手の届く夢を見ることが出来る。夢を見るというのは必ずしもオッヅの高い馬券に手をだすことだけではない。発想を転換することが大切なのぢゃ。

 

3.自分の的中率を掴めば、勝機も掴めるのぢゃ

 1点フォーカス馬券はある程度ギャンブル的な側面を持つ(ギャンブルの話の中でギャンブル的というのもヘンな話ぢゃが)。故に、その3点でバッチリ当てきることが出来る自信がない場合は、実はやるべきではない。なぜなら、元返しというのは既に負けへの第一歩を踏み出している事になるからぢゃ。ちょっと競馬をやればすぐにわかるぢゃろうが、100戦して100回的中させることは複勝でも不可能に近い。まして連勝なら、12連勝程度でも神様と言われてしまうような世界なのぢゃ。仮に的中率が概ね25%の人がいたとしよう。その人は儲ける以前に残り75%の外れ馬券の面倒も見なくてはいけない。即ち、当たっても元金が4倍以下にしかならないような賭をしていると、ずるずる損失を増やしていくことになる。元返しでは回収率25%。これでは話にならん。再び前の例を引っぱり出すのなら、どの目が来ても回収が36000以上にはならなければ、的中率25%の人はずるずる負けを増やしていくことになるということぢゃ。この場合1点フォーカスするのなら5800、2400、800というのが正解で、均等買いでは本命決着では27000しかつかず、じつは9000円の取りガミということになる。わかるかな?均等買いではこういった取りガミの可能性が高くなるのぢゃ。的中率がもっと高く、例えば34%以上ならば元金の3倍返しを基準にすればいい、50%を遙かに越える的中率を期待できれば(例えば複勝なら)、元金の2倍返しに満たない配当でも勝負にはなる。なんにせよ、こういった計算は普段の自分の的中率を知っておかねば成り立たないものぢゃ。普段の自分の的中率を知り、どの目が来ても普段の自分の不的中分の金額をカバーできる算段が立ち得ない場合は勝負に参加しない(ケンをする)のが勝利の秘訣ぢゃ。

 

4.回収額こそ平均させると言うこと

 ここまでの話を総合すれば、最適な賭け金額の配分は均等戻しと1点フォーカスの間のとても狭いゾーンの中に存在している事はわかってもらえるぢゃろう。このような面倒な計算はやっていられないと言う人には、皮算用(シェアウエア)のような便利なソフトウエアも存在する。使ってみれば効果はウケアイぢゃ。さて1点フォーカスぢゃが、これは必ずしもオッヅが低いものにフォーカスする必要はない。というよりも、自分がもっとも確率が高いと判断したものにフォーカスするべきぢゃ。ただ、人間必ずしもきっちりと、こちらの組合せの方が来る確率が高いと判断を付けることが出来るかというと、そうでもない。特に負けが混んで射倖心が勝ちている場合などは、気がつくと高い配当の組合せへの期待を高い的中率への確信とすげ替えてしまいがちになるものぢゃ。そこらへんの冷静さに自信がもてないなら、完全に自分の判断を廃して均等戻しに徹するのもいいし、フォーカスの割合を加減してみるのも良い。オッヅに判断を委ねるのもまた一個の手ぢゃ。なんにせよ、均等戻しにした場合の期待値を知ると言うことが、すべての判断の源を形作る。長く競馬を楽しみたいのなら、これはもう均等戻しがお奨めぢゃな。爆発的な当たりもない代わりに、調子や好不調の波というのもある程度吸収してくれる。ギャンブルとて着実堅実にを心がける者が、最後には笑うことになるのぢゃ。

 

 次回はレースの絞り方についてぢゃ。刮目して待て!

 

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